セ・リーグ、パ・リーグのFAの歴史は非常に興味深いものです。
この制度が確立されて以降、戦力の格差が広がっていくと考えられていましたが、意外なことに戦力格差は縮小しました。そのメカニズムとして考えられるのは、FAを使って積極的に補強するチームの多くが補強した選手を優先的に起用するため、期待の若手選手をなかなか育てることができず、長期的なチーム作りには不向きであることによります。
逆に、フリーエージェント制度を使うことなく、地道に若手を育てるチームが以外にも上位に行くというケースが目立ってきています。具体的には、昨年度の日本シリーズを戦ったパ・リーグチャンピオンの北海道日本ハムファイターズ、セ・リーグチャンピオンの広島東洋カープはどちらも1人しかFA補強をせずに戦ってきましたが、戦力が非常に整っています。また、フリーエージェントで選手を放出することになった球団は金銭又は別の補強選手を見返りとして求めることができます。
この制度によって、見返り選手の方が活躍する例もあり、このようにファンにとっては面白いエピソードが多くあります。今後も積極的な補強に乗り出すチームと育成を柱にしたチームが二分化していきます。